鋳造技術を高め、
お客様からの要求に応える。
他社がやりたくないものができるのも
ミヤタ鋳造の強みです。
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ミヤタ鋳造株式会社
- キューポラ炉による鋳物製造・薄肉鋳物にも対応
宮田泰宏
- 都道府県
- 愛知県
- 事業内容
- キューポラ炉による鋳物製造・薄肉鋳物にも対応
- 会社名
- ミヤタ鋳造株式会社
- 代表者名
- 宮田泰宏
- 所在地
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〒443-0038
蒲郡市拾石町前浜25-2
- 電話番号
- 0533-69-3205
Factory Stories
ミヤタ鋳造のはじまり
現在の取締役・泰宏の祖父が三人兄弟で始めたミヤタ工業が始まり。祖父が戦争から帰ってきたときには会社が興されており、そこに祖父は参画した。
1970年に宮田工業から製造部門を切り離しミヤタ鋳造を創業した。当初は溶着技術を売りにしてバイスを製作していた。
「とにかくいいものを作るんだ。」
祖父の代から脈々とミヤタ鋳造に受け継がれた言葉だ。
本当に職人気質な会社で泰宏が入社した当時、職人の持つ技術は素晴らしかったが、鋳造技術を手取り足取り教えてくれることはなかった。技術は失敗して覚えろ、見て覚えろという世界。
「ただどの職人も自分の仕事にプライドを持っていました。自分の作った製品は最後まで責任を持つ。とにかくいいものを作ろうという意識がもの凄く強かったように思います。」
鋳物は生き物
「鋳物は生き物だ。」
これも祖父から教わった言葉だ。温度湿度によって出来栄えは変わるし、手塩に掛けて丁寧に作れば綺麗にできるわけではない。汗をかくこともあれば、呼吸をしている。
「なんとなくわかってきたのは入社してから3年経ったあたりでした。ただ自分の中ではできたような気になっていましたが、周りを見ればもっともっと腕のいい職人がいました。」
職人同士がお互いの技術を高めあう職場。鋳造技術を突き詰めたい、そんな気持ちが自然と湧きあがった。
そう思った泰宏は独学で鋳造技能士1級を取得。更なる高みを目指し鋳造技能士特級まで取得する予定だ。
腕を磨く
鋳物は繊細な技術だ。その技術は鋳物の肌に現れる。
「あれお前のだな。」
同じ製品が並べられるとどれが自分が作った製品か、職人は見るとすぐにわかるという。
「中子を収めていく前に塗型剤を塗るんですけど、塗る技術によって鋳物の表面の肌がものすごく綺麗だったり汚かったりするんですね。」
同じ工程で同じスピードで作っても少しの差で仕上がりには大きな差が出る、それが鋳物の世界だ。
綺麗な仕上がりにするために大事なことがある。
「鋳物の肌を綺麗に仕上げるためには化粧の塗り具合がポイントです。その化粧を塗るための筆を職人は大事にします。自分の筆を誰かが使ったらすぐわかる。それほど繊細です。」
化粧とは黒鉛を砂に塗ること。たくさん塗ればいいわけではなく、つぶすようにワックスを塗るように仕上げていく。その塗料の濃度も重要だ。現在はボーメ計があり濃度のコントロールも容易になったが、昔は職人が混ぜるときの感覚で決めていた。こうした職人の技術の上に鋳物の外観が支えられている。
ミヤタ鋳造のつよみ
「他社がやりたくないものができるところがミヤタ鋳造の強みです。」
最終製品の軽量化が求められるなか、鋳造部品についてもいかに軽量化するかが課題だ。ただ鋳造部品を薄肉にすることは簡単ではない。
「薄肉ものを作るためには溶湯温度を上げないといけません。ただ高温で薄いものを作ると砂が焼き付いてしまうという問題が発生します。ミヤタ鋳造では特殊な炉を使っていますので低温でも湯流れがいい。だから薄肉ものを綺麗に仕上げることができます。」
通常、鋳造部品の厚みは15㎜でも薄いと言われる。それ以上薄くすると割れが発生し製品として成り立たない。
しかしミヤタ鋳造では8㎜まで薄肉で仕上げることができる。他社では困難なリクエストを巧みな技術で解決する、それがミヤタ鋳造の強みだ。
なぜ選ばれるのか?
製品の品質とともに大切にしていることがある。それは納期だ。
「お客さまから無茶なリクエストをされるときもあります。ですが、それは同時に大切なお客さまが困っているときです。そんな時にできないとは言いたくない。絶対に間に合わせます。」
ミヤタ鋳造ではお客さまとのコミュニケーションを大切にしている。
設計のみならず調達部門や生産技術部門など様々な部門を会社に招き、ミヤタ鋳造を理解してもらっている。発注すれば黙ってても製品が出来上がってくるのではなく、現場の大変さも知ってもらっている。そうした相互理解の上に築きあげた信頼関係があるからこそ、お客さまのリクエストには必ず応えるのだ。
ミヤタ鋳造の今後
「鋳造の世界を変えたいと思っています。」
鋳造は昔ながらの風習が残る世界だ。昔と比べると製品はより薄く、そして精度が求められるようになった。しかし、いまだに製品の価値を決めるのは重量、いわゆるキロ売りと言われるものだ。
「軽いものでも重いものでも工程は変わりません。ですからお客さまの求める薄いものを作れば作るほど利益が出ない。それではやっていけません。」
培った技術が正当に評価されないと、優れた鋳造技術を後世に残すことができない。
そんな危機感を持っている。