1Dシミュレーションで
世界と戦えるものづくりへ。
手を動かすことでより正確な予測を。
ものづくりの時間とコストを大幅に削減。

  • 株式会社エムオーテックアイデアズ

  • コンピューターによる機械設計支援

土居 格

都道府県
神奈川県
事業内容
コンピューターによる機械設計支援
会社名
株式会社エムオーテックアイデアズ
代表者名
土居 格
所在地

〒240-0045

横浜市西区北幸1丁目11番1号水信ビル7階

電話番号
090-2462-6493
ホームページ

https://www.big-advance.site/s/157/1822

Factory Stories

M&Oコンサルティングの
1Dシミュレーションとは

土居格が代表を務めるM&Oコンサルティングが主におこなっているのは『1Dシミュレーション』による性能向上や不具合などについての解析だ。
工場内で使用しているロボットや農機具などは複雑な立体的(3D)構造をしている。このエッセンスを抽出して1次元(1D)データによる解析をおこなう。
必要なデータ量や数式の数が減り、かつ整理されているため、シミュレーションの速度が速く、可読性が高くわかりやすいという特徴がある。
「色々な要素が複雑に絡み合っているので、どの要素を利用するのか取捨選択が必要になります。適切に必要な要素を取り入れることで予測精度を高めることができます」

適切な取捨選択を可能にしているのは、土居の経験と仕事に対する姿勢だ。

M&Oコンサルティング M&Oコンサルティング

会社員時代の経験

東京大学大学院を卒業した土居はパナソニックに入社し、カメラ内部の精密メカの設計業務に携わった。
設計は3次元CADを使用するデスクワークがメインだが、土居は積極的に工場に向かい、生産ラインで組み立て作業も積極的におこなっていた。また、自身の手でライバル社製品を分解して構造を解析することにも力をいれていたという。
その後、自由な環境で設計をするためソニーに転職した。
現場に足を運び、実際に手を動かしながらアイデアを出して設計をすることで、この2社に勤めている間に複数の特許を取得している。

アイデアを発想するコツ

特許の取得につながるような新しいアイデアの発想は簡単ではない。その発想には3つのコツがあると言う。
「ひとつ目はとにかく物を触ることです」
頭の中で考えるだけでなく、自分で物を加工する、製品を分解するなど、実際に物に触ることが必要だという。物を見て手で触れることでアイデアが浮かぶのだ。
「ふたつ目は紙と鉛筆です」
頭の中にあるものを紙に書き出す。書き出すことで情報が整理され保存される。それにより頭に余裕ができるため新しいアイデアが浮かびやすくなるという。頭で考えるだけでなく『手を動かす』ことを土居は重要視している。
「最後は、一旦離れることです」
どうしてもアイデアが出ないときは、小説を読んだり、散歩をしたり、お風呂に入ったりと、一旦離れる時間を作った方が良いという。そうしていると、ふとしたときにアイデアが浮かんでくることもよくあります。
また、散歩中に子供が砂場で遊んでいる玩具を見て、課題解決の糸口になったこともあるとのこと。

M&Oコンサルティング

独立のきっかけ

ソニーに勤務していたとき、メカ設計の部署の後にコンピューターシミュレーションの業務に就いた。新しい製品などに対してコンピューターで性能予測をする仕事だ。
その中で様々な展示会や交流会に参加し、多くの企業の話を聞く機会を得た。企業が抱える課題を聞いていると、コンピューターシミュレーションの技術を使えばそれらの課題が解決できるのではないかと考えたのだ。
「もっと多くの企業の様々な課題を、自分の技術で解決したい」

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シミュレーション予測の有用性

たとえば、開発している機械に『駆動音が大きすぎる』という課題があった場合、量産化の前にその課題をクリアしなければならない。
モーター自体を別のものにするのか、ギアの素材を変えるのかなど課題を解決するために様々なことを検討しなくてはいけないだろう。そしてその改良案がどのような効果を出すのか試作する。当然だが、それには多くの時間とコストが必要だ。
土居が提供している1Dシミュレーションでは、ギアの素材を変えた場合にどう変化するか、どのモーターを使えばどんな結果になるのか、また消費電力がどのように変化するのかなどが予測できる。
もちろん、シミュレーションだけで完成品をつくれるわけではない。しかしシミュレーションによって良い結果が出る可能性が高いものだけに絞ることができるのだ。
シミュレーションによって試作を厳選できるため、時間とコストが大幅に削減できる。

M&Oコンサルティングが得意とする分野

「私が得意としているのは、基本的に動くものです。生産現場で利用する組み立てロボットや、モーターで動く電動工具や農機具などです。もっと身近なもので言えば、ホッチキスやノック式ボールペンも人の手で動かすものなのでシミュレーションすることができます」
その他にも、人工衛星のような最新技術でつくられるものやミニ四駆のような玩具もシミュレーションできるという。
「まずはご相談いただいて、もしも私が技術的に対応できない内容の場合は他の協業先を紹介しています」
電気関係に強い、燃焼関係に強いなど、それぞれが得意分野を生かしたシミュレーションをしているという。
シミュレーションの分野は多岐にわたる。シミュレーションの精度を高めるためには、それぞれの分野の知識や能力、経験が必要なのだという。

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M&Oコンサルティングが選ばれる理由

土居のシミュレーションがお客様から選ばれるのは、土居への信頼があるからだろう。もしかしたらシミュレーションに対して「机上の空論ではないのか?」というイメージを持つ人もいるかもしれない。
しかし土居は、実際にメカ設計をおこなってきた経験があり、さらに自ら現場に足を運び組み立てをした経験を持っている。現場をわかった上でその情報をデータとして組み込んでいくことができることが信頼につながっているのだ。
また、アイデアの発想法にもあったように、土居は『手を動かす』ことを重視している。そのためご依頼のあったお客様のところまで足を運び、実物を触り、可能ならば分解して構造を確認しているのだ。
「まずお話を聞かせていただいて、それから見せてください、触らせてくださいとお伝えします。新潟でも広島でも九州でも足を運びますよ」
新しいシミュレーションをおこなうとき、過去の案件から使えるアイデアやノウハウは2割程度だという。残りの8割に必要な要素を的確に取捨選択し予測精度を高めるため、土居は今も現場を大切にしている。

世界と渡り合えるものづくりのために

海外では工業でもデジタル化が進み、シミュレーションを活用して売上を伸ばしている会社があるという。
しかし日本では十分に浸透しているとはいえない。土居自身も現場や現物を大事にしているが、それだけでは世界と渡り合っていけなくなるのではないかと懸念している。
「現場も現物ももちろん大事です。でも『現場だけ』『現物だけ』ではなく、シミュレーションという新たな手段を使って、欧米と対等に渡り合っていけるようになるといいなと思っています」
日本の職人たちが現場で培ってきた技術やノウハウと、シミュレーションという新しい技術が組み合わさったとき、日本のものづくりに新しい時代が訪れるのかもしれない。