新たな道を切り開く生産技術力。
のべ数万点に及ぶ
製造の経験が育んだ確かな技術と経験。

  • 株式会社ひさすえ

  • 金属加工、加工支援サービス

久末 良明

都道府県
愛知県
事業内容
金属加工、加工支援サービス
会社名
株式会社ひさすえ
代表者名
久末 良明
所在地

〒459-8001

名古屋市緑区大高町字寅新田55番地A棟

電話番号
052-825-6535
ホームページ

https://www.hisasue.co.jp

Factory Stories

株式会社ひさすえ

株式会社ひさすえの姿勢

久末良明は「もっと広い世界で仕事をしたい」と考え、2018年2月に独立して個人事業で創業し、同年8月に株式会社化した。
良明は高校を卒業してから金属加工業の経営者を志し、大学の経営工学部に進学したが、1年で中退し19歳で父が経営していた名南機械製作所に入社した。
名南機械製作所は、航空機の部品と機械設備部品の製作を主にしている会社だ。良明はそこで現場の加工業務に10年ほど携わり、その後は生産部長として現場の統括やお客様の窓口として打合せなどをおこなった。
「名南機械はつくれないモノはない、チャレンジする、という姿勢の会社でした」
前職で培ってきた『チャレンジする姿勢』は、現在の株式会社ひさすえにも受け継がれている。

株式会社ひさすえ

ひさすえの加工技術

現在、株式会社ひさすえの業務の主軸となっているのは、工作機械や製造設備の部品製造だ。
半導体の基板に超高速で穴を開けるマイクロレーザー加工機や自動車製造用の専用設備の部品などを製造している。
「部品加工屋ですが、その先にある装置をいかに効率よく動かせるようにするかが私たちの使命だと思っています」
そんなひさすえの強みは、旋盤加工とマシニングがひとつになったMazakの『インテグレックス』による加工ができる点だ。

1台の機械で旋盤とミーリングの加工ができるため、作業工数を減らすことができる。また位置決めも一度で済むため高い精度の加工が可能となるのだ。そのためお客様からの評判も良いという。他社ではあまり導入されていない機械であるため、ひさすえの特徴のひとつになるだろう。
「1台の金額が高いことと、この機械を扱うための技術が必要なのでなかなか導入できないのかもしれませんね」
現状、旋盤機械とマシニングを保有して加工している会社ならば、あえて高価な機械を導入しようと考えないのかもしれない。ひさすえの加工技術の特徴はこれだけではない。
「今はアルミの加工が多いですが、アルミ以外でもステンレスやチタン、樹脂などどんな材料でも加工ができます」
チタンは非常に硬い材質であるため加工が難しい。そんなチタンの加工も可能なのは、良明が前職でチタン部品の加工経験をしているからだ。前職では航空機の部品を製造していたためチタンの加工を多くおこなってきた。また、航空機以外にも一点ものの治具や部品などの製造も担当してきたため、幅広い材料や加工を経験してきている。そのためひさすえも非常に幅広い要望に対応することが可能なのだ。

株式会社ひさすえ

治具の提案と設計製造

「最近は、取り引きのある会社から治具を作ってほしいという依頼も増えています」
お客さまが保有している機械を使って部品加工をおこなうために必要な治具を設計製作する依頼だ。良明が加工工程を立案し治具の設計製作をおこなっている。
良明は完成イメージと加工に使用する機械などを総合的に考え、工数を抑えて精度を高めるための最適な加工方法を提案する。
これができるのは、良明が主導して1,000点を超える航空機部品の製造に関わり、航空機以外の一点ものも含めるとのべ数万点にも及ぶ部品製造をおこなった経験があるからだ。航空機部品の製造では一度決めた製造工程を変えることはできない。プログラムも治具も決まったもので正確につくることが求められるのだ。しかし、はじめてつくる部品に関しては、製造のための工程や治具などから考える必要がある。
「新しい航空機部品は、最初に私が工程を全部考えて現場に落とし込んでいました」
そのときに意識していたのは、人の技量に左右されることなく安定した品質を保ち、できるだけ短い工数にすることだ。
「部品ひとつでもたくさんのアプローチ方法があります。また、設備も更新されていくので、トータルで検討して最適な方法を検討します」

そうして良明は設計段階に行われる依頼元の会議にも参加して、製造側から見た意見や生産コストを抑えるための提案をおこなってきた。これらの経験が加工方法の提案から治具の設計製作に生かされている。

株式会社ひさすえ

ひさすえの本当の強みは生産技術力

ひさすえの最も大きな強みは『生産技術力』にある。
「その部品をつくるために、どんな工程が必要なのかは大体わかります」
ひとつの部品を製造するためには様々な加工が必要となる。良明はどんな手順で材料を加工していけば部品として納められるのか全体像を詳細にイメージできるのだ。ひさすえは高度な加工をするための機械も、加工の技術力も備えている。
しかし真の強みはそれらを支える知識と経験なのだ。
「安定した品質でどれだけ効率よく製造できるかを打ち合わせて構築するのが一番好きなんです」

そのため『部品加工をする会社』という枠にとらわれることなく、生産技術の知識を生かした仕事を増やしていきたいと考えている。
「まずは部品製造でしっかりものづくりをしてお客様のご要望に応え、順番に仕事の範囲を広げていきたいと思っています」
設計から部品加工、組み立て、据え付けまで一気通貫で請け負いたいと考えているが、越えなければいけない課題もある。現時点でお客様に満足していただける生産技術力を持つのが良明ひとりだということだ。

良明は多くの図面を見て、多くの部品を製造し、その中で失敗を重ねながら経験を積んできた。だからこそ、図面などからどのような加工法が良いのかの最適解を導き出すことができる。
良明と同じように生産技術力の高い人材を社内に育てていかなければいけない。それを実現するためにも加工業務を真摯に続けていくという。加工技術をアップデートしていくからこそ、生産技術力も高めることができるからだ。

株式会社ひさすえ

これからの製造業に必要なもの

日本のモノづくりの世界は、今後ますます厳しくなるだろうと良明は言う。物があふれており海外製品も多い。そのため日本の中小企業のモノづくりはさらに厳しくなっていくはずだ。
ただし、モノづくりがなくなることはない。だからこそ日本の中小企業に必要なのはノウハウや技術力だという。
「安くたくさんつくるだけでは海外のモノづくりに勝てません。だから強みになる技術力に磨きをかける必要があると思います」
良明の言う『技術』には知識も含まれている。会社によっては『どこにも負けない精度を出すためのノウハウ』かもしれない。
ひさすえが磨いていくべきだと考えている技術は『生産技術力』だ。
「私は生産技術の力が必要だと信じてやっていきます」
一点ものや新しく作るものには前例がない。新しく生み出すための力が必要だ。数多くの経験や知識の中から最適な加工を生み出していく技術である。

良明が独立時に思い描いたように、ひさすえはこれからどんどん世界を広げ、その生産技術力で多くのモノづくりの現場を支えていくことだろう。