タケウチ興業株式会社

タケウチ興業株式会社

強固なチームワークこそがタケウチ興業が誇る技術力。 つなぐ喜び、つなぐ感謝。ただものを造るのではなく、この強みを生かしてこれからも人の喜びを製造していく。 竹内 良

地域

東海 愛知県  

産業

工作機械  

分野

量産 ダイヤモンド

表面処理 工具研磨

部品製造 シャフト/ローラー製造

条件

企業情報

  • 会社名
    タケウチ興業株式会社
  • 代表者名
    竹内 良
  • 住所
    〒496-0005  津島市神守町字中ノ折51番地 MAPを表示
  • 事業内容
    精密機械部品製造
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タケウチ興業の始まり


タケウチ興業は父の進が立ち上げた会社だ。
脱サラして砥石の卸売りを始めたのが事業の始まりだった。

そのうちお客さまから、形状をカスタマイズできないか?納期を早めてもらえないか?などリクエストを受けるようになる。
「お客さまのリクエストに応えるためにはどうしたらいいのか?」
そう考えた進は自ら製造することを選択する。
砥石の販売をする傍ら、設備と人材を準備しメーカーとしての一歩を踏み出した。

「お客さまはこっちの方が喜ぶから。」
二者択一の選択をする時、難しい選択になろうともお客さまのニーズに応えることを第一に考えるのが当たり前だった。

タケウチ興業の技術



タケウチ興業の商材のひとつである工業用砥石は工作機械で使用する部品だ。
最終の仕上げ工程で使用するものだからこそ高い精度が要求される。
図面を見るとこれでもかとばかりに幾何公差がずらりと並ぶ。
「図面に描くのは簡単だけど作るのは大変なんです。」
平面度、垂直度、真円度・・・ありとあらゆる部位に厳しい要求が並ぶ部品をどのように造り上げるのか。

「製品をどう使うか、何のために使うのかをイメージすることを大切にしています。それが理解できると、なぜその精度が必要なのかを理解できる。」
一(いち)加工屋としてそこまで気にする必要はないかもしれない。
だがそれを理解できているのとそうでないのとでは仕上がりに大きな差がでるという。

「どこに出しても同じものができてくるのでは意味がありません。付加価値をいかにつけるかが大切です。物を適当に作っていると自己解釈が入ってきてしまいます。設計者の意図を汲み取れず、こんなもんでいいだろう、と加工していたのではいい製品はできません。」
ただの加工屋ではない、自発的に考える風土がタケウチ興業には根付いている。

つなぐ喜び、つなぐ感謝


設計者の意図を汲み取る、それ以外にも困難な加工を可能にする秘訣がある。
「工程間のコミュニケーションを大切にしています。」
タケウチ興業の製品は多くの工程を、異なる作業者が担当する加工機を渡り歩き完成する。
図面には完成形が描かれているが、その完成形に近づけるためには各工程の役割分担が重要だ。

「実際に製品がどう使われるのかが図面に表現されています。それを見ながら作業者同士で加工順序を決めていきます。自分の工程だけ考えてやりやすい方法ではなく、チーム全体として考えた中でよりいい工法がないかを常に意識し話し合います。」

製品は自分一人で完成できるものではない。
決して独りよがりにならず、高い品質が要求される製品をいかに短い納期で完成させることができるのかをチームで考える文化がある。
このチームワークこそがタケウチ興業が誇る技術力だ。

チームワークの秘訣


チームワークはどうやって育まれたのか?
それは経営層と従業員の距離感に秘密がある。

「年に2回必ず全従業員と面談をしています。そこで会社の状況、経営課題を共有することにより従業員に自ら考えてもらう。大事なのは従業員に自発的に動いてもらえる環境を作ることです。」
面談では従業員それぞれの個性を認め、決して否定しない。

従業員一人一人に居場所があり従業員が豊かになる会社、そんな会社を目指している。

「人を尊重するという前提で従業員に接しています。経営層も従業員も共に育つという感覚です。相手を信じ切ることも大事だし、相手から信じてもらうことも大事です。」
いまでは現場の中核を担う社員・服部もかつては遅刻の常習犯。
仕事を辞めようと思ったことは幾度もあった。

しかし、面談を重ねるうちに自分の個性が尊重されていることを感じ、会社に対する理解が深まるようになった。
先輩の成長を目の当たりにしたことも大いに刺激となり、考え方が180度変わっていった。

「昔はみんな個でした。俺の仕事はここまでとか、それぞれのやりたいようにやっていました。今は会社のことに対し皆で話し合いをしています。喜びという言葉が自然と皆の口から出てきます。お客さまの喜びも大切ですが、従業員の喜びも大切にしてくれる会社だからこそ自分たちの居場所があると感じています。」
意識しなくてもそれぞれの従業員がうまくバランスを取ろうと考え動くことが、チームワークを発揮する秘訣だ。

なぜタケウチ興業?




  • タケウチ興業ではお客さまとの信頼関係を大切にしている。
    図面を描くのもヒト、部品を加工するのもヒト。
    ヒトとヒトの信頼関係なくして良い製品はできあがらない。

    「お客さまの工場に従業員を連れていくこともあります。工場で製品と機械に向き合っているだけではなかなかやりがいも生まれない。お客さまの顔がイメージできて初めて心が通った仕事ができると思っています。」
    工場で働いていると直接ありがとうと言ってもらえる機会は少ない。
    だがお客さまの顔が想像できるだけで全く違ってくる。
    だからこそタケウチ興業の従業員は、図面を見てただ加工するだけではなく、使う人の気持ちを考え高品質の製品を届けたいという想いを持って加工ができるのだ。

    「私たちの強みは痒い所に手が届くところでしょうか。」
    製品が使われる場を想像できるからこそ、図面に不備があれば指摘をするし、自分の解釈が合っているのか疑問を持ち担当者に問い合わせをする。
    頼まれたものをそのまま造るのではなくお客さまとチームタケウチで高品質の製品を造り上げる。
    それがタケウチ興業が提供する付加価値だ。


タケウチ興業のこれから



  • 近年、製造業にもAIや自動化など先端技術の波が押し寄せてきている。
    そんな中タケウチ興業では大事にしていることがある。
    「私たちは人間でしかできないところに特化していきたいと思っています。技術は進歩していますが、それでも人間の手作業でしか生み出せない価値があるんです。」

    人と人との繋がりを大事にするタケウチ興業。
    十人十色、多様な個性を受け入れ、そんな個性の強い人が活躍できる居場所を作りたい。
    そう想うからこそ人を大事にする社風が生まれ育ってきた。
    「ものづくりでなくとも、この培ったチームワークで新しいことが何かできるんじゃないか。そんなことも考えています。」
    変な会社かもしれない。
    それでも長い年数をかけて培った強固なチームワークがタケウチ興業の強み。

    「つなぐ喜び、つなぐ感謝」
    ただものを造っているのではない。この強みを生かしてこれからも人の喜びを製造していく。


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