設計で希望に満ちる未知への道を彩る。
豊富な経験と高い技術力で
困難な設計にもチャレンジ。

株式会社みちいろ 機械設計・電気回路設計

鈴木 勇祐

都道府県
静岡県
事業内容
機械設計・電気回路設計
会社名
株式会社みちいろ
代表者名
鈴木 勇祐
所在地

〒432-8003

浜松市中区和地山3-1-7浜松イノベーションキューブ 215号室

電話番号
050-3649-7170
ホームページ

https://www.michiiro.co.jp/

Factory Stories

株式会社みちいろの『道』

鈴木勇祐と川崎仁敬は2020年に株式会社みちいろを立ち上げた。二人が出会ったのはエンジニア派遣会社だ。鈴木が営業、川崎がエンジニアとして所属していた。鈴木は川崎の力を信頼しており、川崎が力を発揮できる派遣先をいくつも開拓した。そして川崎はその信頼に応えてキャリアを積み上げていったのだ。
「川崎は当時、20代後半の若さでしたが、技術力はもちろんコミュニケーション力や意欲、対応力などトータルで高い水準でした」
その後、鈴木も川崎も別々の会社に勤めたが、川崎が仕事を変わろうと考えていたとき相談したのは鈴木だった。そうして二人は設計やシステム開発を請け負う会社を設立する道を進むことにしたのだ。

現在、主に受けているのは製品設計や設備設計だ。半導体の生産設備用のユニットの設計もおこなっているため、クリーンルームで使う設備の設計を得意としている。クリーンルームでは「ホコリを発生させない」「ホコリをためない」「静電気をためない」ということに注意を払った設計が必要になる。さらに絶対に部品の脱落がないような構造にしなくてはいけない。また、設備を利用する環境によって必要な条件は変化する。
このような難しい設計の依頼を請け、しっかりと要望に応えることでお客様の信頼を積み上げてきている。

他社では対応が難しい設計

「当社にご依頼いただくのは困っていらっしゃるお客様が多いんです」
鈴木はそう語った。他の設計事務所が「難しい」と断る案件には大きく3つパターンがある。ひとつは設計者が経験したことがない機械や設備であるため設計のノウハウがない。もうひとつはお客様のイメージをうまく形にすることができない。そして、複雑な機構であるため設計することができない。

このような理由で設計を断られて困っている会社が株式会社みちいろのお客様だ。たとえば専用機のような1品ものであればなんとか設計ができる業者も多い。だが、量産品となると格段に難易度が上がるという。それは、耐用年数や設計寿命、強度などを明確に示すために設計基準に則った根拠の資料も必要となるからだ。また消耗品部分がどこになるのか、コスト面はどうなるのかなどにも配慮した設計が必要になる。
図面を引くだけでなく、根拠なども含めてあらゆる面に配慮しながら設計ができることが株式会社みちいろの大きな強みだろう。

難しい設計を可能にする技術力の背景

主に設計を担当する川崎は実に多彩な技術経験を持っている。マシニングセンタの電気設計、制御盤設計、回路設計やパチンコ業界の回路基板の設計もおこなった。NC内ソフトのプログラミング、放送機材の生産技術や改善設計も経験している。そしてスマートフォン、市販冷蔵庫、産業用の大型マグネット、半導体の検査装置、医療機器(検尿自動検査機、便の検査機、PCR検査機)、自動車業界の工程設備など多岐にわたる設計をしてきたのだ。さらに機械加工業務も経験したという。
「自分が関わったマシニングセンタを使っている工場で試作品などの切削加工をやりました。設計した機械がどう使われているか知らなければ、自分の設計が正しいのか判断できないと思ったからです」

こうした数多くの経験の中でも難しかったのがスマートフォンの設計だという。スマートフォンが普及しはじめたばかりの頃で、そのメーカーで製造する第一号のスマートフォンだった。しかも目指していたのが世界最薄だったという。川崎は1回目の試作の手配が終了した頃に設計に参加することになった。問題となったのは設計したものの善し悪しを判断する基準がなかったことだ。そこで従来の携帯電話の設計評価基準を流用することにした。しかしその評価基準の数値の根拠が誰にもわからない状況だった。

そのため川崎はあらゆる事例を調べて新しい評価基準を作るところからはじめたのだ。そこまで徹底できる理由を川崎に尋ねると「知識欲もあるんですが、人がやりたがらないことをやると、そこに価値が生まれると思っているからです」と答えた。
こうした姿勢で積み重ねた経験があるからこそ、「難しい」と言われる設計にもチャレンジすることができるのだろう。

お客様の要望に応えるために

川崎は設計をするとき、できるだけ細かい要望を聞き出すようにしているという。設計の途中で「Aパターン、Bパターン、Cパターンの方法が考えられるけれどどれが良いですか?」という聞き方をする。「どうしましょう? と尋ねるとなかなか答えが返ってきません。でも選択肢を提示するとすぐに回答が返ってきます」
こうしてお客様のイメージと設計者としてのスキルをすり合わせながら、ご要望に応える設計に仕上げていくのだ。

そんな川崎が望んでいるのは相談できる仲間を作ることだ。
「ひとりで設計をしていると、思い込みや自分の希望が紛れ込んでしまう場合があります。だからお客様に見せる前に仲間と相談できるようになるとうれしいですね」
これを実現するためには、川崎と同じように知識欲があり、様々な設計に精通していることが必要になるかもしれない。もしもそれが実現すれば株式会社みちいろは高いレベルのエンジニアが揃う最強の設計集団になるだろう。

株式会社みちいろとものづくり未来

鈴木は「お客様が困ったときに相談されてアドバイスができるようなプロが集まる会社にしたい」と語る。ものづくりによって新しい仕組みを生み出すことで人の生活は便利になっていく。しかし実際にどうしたらつくれるのか、どんなシステムを活用すればより良くなるのかをわかっている人は少ない。

世の中にある知識や技術をうまく活用することで、人材不足の解消になったり、安全な食品をつくったり、量産化することでコストを下げたりと様々な可能性がある。しかし実際にはそれを実現できるエンジニアが不足している。その原因は待遇の悪さや社会的地位の低さにあるのかもしれない。また、子どもたちにものづくりの本当の楽しさを伝えられていないこともあるだろう。

優秀なエンジニアの卵は毎年産まれている。だが、優秀な人材は大手メーカーに勤め、そのメーカーが作る製品の設計だけに従事していくため、幅広い視野と設計技術を身に付けることが難しいのだ。
「ものづくりで未来を変えていきたいとか、新しいものを作りたいという想いではなく、給料が高いとかステータスだとかでものづくりを選んでいる方も多いと思います。難しいですがそこを変えていかなければいけないと思います」
日本のものづくりが世界でも一目置かれる存在となるためには、本物の設計者を増やしていかなければいけないだろう。